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真琴を見ると驚愕に目を見開いて固まっていた。
「真琴、ここにはおまえの母親が眠ってる。…そして、桐生、おまえの恋人だった女だ」
場が凍りついた。
だが、桐生は動じたふうもない。
「…親父、それは」
裏切ってたのか?
桐生を俺たちを桐生を。
桐生の恋人を奪ったと言うのか?
「真琴、…おまえは母親によく似てる。その優しい面差しも瞳もすべて」
目を細めて真琴を見つめた。
「―――16年前」
と、親父が静かに話し始めた。
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