488人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
――私の遅い初恋は、ハッピーエンドを迎えることは出来なかった。
それでも……
朝が来る度に遠ざかっていった、あの想い。
日に日に薄れていった、あの想い。
だけど、目を閉じれば真っ暗な闇の中に今でも鮮明に思い出す。
モテる女になろうと、王子様を見つけようと、必死に駆けていたあの頃の自分を。
あの日出会った、かけがえのない二人のことを。
私は……自分を、相手を、過去を責めることを終わりにした。
あの時のことがあるからこそ、私は、今……
――ここに立っているから。
最初のコメントを投稿しよう!