序章 不可侵なる領域

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序章 不可侵なる領域

ここは、深い霧が漂う廃虚と化した古城。 周りは月の光がたちこまれて、木々が風にゆらめく音、そして古城奥から響く不気味な声が聞こえる。 そこに、ある人間達がやって来る。 常人はまず立ち入らない。 いや、立ち入る必要がないのだ。古城、つまりは中の人間は既に死に絶えアンデットモンスターやゴーストの巣窟となっている。 下手に立ち入るものなら、即座にモンスターの呪い殺されるか恐怖により発狂されてしまうだけだろう。 ??『ようやく着いたな』 一人は戦士のようだ。武器は威力より的確にダメージを与えられるよう軽量武器を、鎧は重鎧を装備している。 手に持つ剣は古代文字の印章が打刻され、振りかざすと、その軌跡に光の帯が走る。 よく見ると、身にまとう鎧にも、何やら同様に印章が彫られてあるようだ。 彼の名はチュードラ=フェニックス 通称『チュード』だ。 体躯は筋肉質な長身。 体力は申し分なく、即座の判断も優れている。 チュードは隣に居る人物に話す。 もう一人の名は、レン=ガーナック 通称、『レン』である。 先程の人物に比べ軽装である。防御力より魔法や状態特殊変化に耐性を優先させた服というべきか。 武器も小さなステッキのみ…だが小さなステッキの先端には赤い六角形の魔法印章石がはめられており魔法力の増幅に一役買っているようだ。 普通の人には、そのステッキは只の模様にしか見えないだろうが、古代魔法を研究している学者なら、目を疑うような古代魔器である。 体躯は、いかにも、『やさ男』と呼んでよさそうだ。 体力は、常人並だが、潜在的な魔法力は、いかほどか…。
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