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唐突に訪れた夜。漆黒と月光が地上を仄めかす。
「プレイヤーさん」
かぐや姫は佇む俺達に顔を向けた。
プレイヤーさんって。まるで俺達のことを知ってるみたいじゃないか。
その言葉に反応し、体を動かそうとした時、自分の中の異常事態に気づく。
体が……動かない。
おかしい。自分の体のサイズの入れ物に閉じ込められたように、ピクリとも動かない。
地上を突き刺す幻想的な光。
「また会いましょう」
かぐや姫の顔は、再び与作に向く。
何がいけなかったんだ。本当にこんな結末なのか?
俺達が何か間違っていたんじゃないのか?
「ありがとう。与作」
かぐや姫の体が宙に浮き始める。
何か間違ってたなら、教えてくれよ。
ゲームならやり直せるだろ?
このクエストは一度しか挑戦出来ない。
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