1151人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「すみませんねえ 先に倒してしまって」
私はこれ以上にない程、わざと嫌みったらしく言った。
彼は握った黒と白の刀を鞘に納めて、再びローブの中へ仕舞い込む。
「やっぱりお前 面白いな」
あなたの方がね。その謎に包まれた全てを私が暴きたい。
いつかきっと、あなたが何者なのか知ることが出来るよう祈ります。つーか、その前に日記よこせ。
「あんた、新撰組の中では何番目に強いんだ?」
これまであまり興味を示さなかった彼が、初めて輝いた瞳で私に質問してきた。
彼が新撰組だと知っているのは、私が羽織を着ているせいでしょう。
「さあ。三番以内には入っているでしょうね」
客観的に見ても、それは間違いありません。
「へえー。あんたの名前は?」
すごい食いつきっぷりですね。私に負けたことでのプライドか。それとも、本当に興味本位なのか。
「土方歳三といいます」
私は嘘をついた。
最初のコメントを投稿しよう!