天草四郎

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「すみませんねえ 先に倒してしまって」 私はこれ以上にない程、わざと嫌みったらしく言った。 彼は握った黒と白の刀を鞘に納めて、再びローブの中へ仕舞い込む。 「やっぱりお前 面白いな」 あなたの方がね。その謎に包まれた全てを私が暴きたい。 いつかきっと、あなたが何者なのか知ることが出来るよう祈ります。つーか、その前に日記よこせ。 「あんた、新撰組の中では何番目に強いんだ?」 これまであまり興味を示さなかった彼が、初めて輝いた瞳で私に質問してきた。 彼が新撰組だと知っているのは、私が羽織を着ているせいでしょう。 「さあ。三番以内には入っているでしょうね」 客観的に見ても、それは間違いありません。 「へえー。あんたの名前は?」 すごい食いつきっぷりですね。私に負けたことでのプライドか。それとも、本当に興味本位なのか。 「土方歳三といいます」 私は嘘をついた。
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