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やはり、レベルは一万を優に超えている。
我輩の勝機があるとすれば、能力勝負で敵の隙をつくこと。
『いいか?三国志と接した時は、基本的に二人から三人で戦うこと。奴らは他のメビウスの輪のメンバーと格が違う』
確か副長がこんな事を言っていたな。
孫権が取り出したのは、孔雀の絵が描かれた金色の巨大な扇子だった。
明らかに体に隠しきれない大きさから、エンプティーインジェクションだと我輩は認識した。
すかさず素振りを行い、命力を籠める。
一の斬撃で正面からの突き。それは扇子で自分の身を守らせるための誘導。
二から十の斬撃で左右からの攻撃。
全てはかまいたちのように切れる見えない太刀筋で行う。
籠め終わると、次の瞬間に孫権の体の正面から見えない突きが襲いかかる。
孫権は扇子でそれを防ぐ体勢へとった。
我輩と孫権の距離は10mほど。
逃げられないように、間を詰めるのが最適な選択だ。
我輩は絶対に退かない。
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