新撰組とメビウスの輪-2

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天草はその場から動かず、衝撃波をしっかりと見定めている。 それに合わせるかのように、一本の管が動き出した。 その先には、やはり体一つ分はあるであろう巨大な消しゴム。 空間を削るように、小刻みに天草の体の前で動くと、まるで守るように純白の綺麗な膜のようなものが張られた。 直後、衝撃波が接触すると、文字を消すかの如く、命力の塊であるエネルギーが先端から消滅していく。 やはり能力は一つではない。 衝撃波を完全に消し去ると、白い膜は風船が割れたように音を立てて破裂した。 見ていてわかることは、この能力を使うのには爆発的な命力を放出している。 例え桁外れに命力が多いとしても、コップから水を溢すように、すぐに底がつくはず。 何故、初めから使わなかったか? 答えはあまりにも短時間であるからだ。 そのリスクを冒してまで使ったのは、今の時点で能力を使えば勝算が高いから。 どうする。奴のガス欠を待つか? その時に大剣の能力を使えば、俺の勝利は間違いない。 多分、能力は数十秒。 奴は焦っているはずだ。
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