952人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
天草はその場から動かず、衝撃波をしっかりと見定めている。
それに合わせるかのように、一本の管が動き出した。
その先には、やはり体一つ分はあるであろう巨大な消しゴム。
空間を削るように、小刻みに天草の体の前で動くと、まるで守るように純白の綺麗な膜のようなものが張られた。
直後、衝撃波が接触すると、文字を消すかの如く、命力の塊であるエネルギーが先端から消滅していく。
やはり能力は一つではない。
衝撃波を完全に消し去ると、白い膜は風船が割れたように音を立てて破裂した。
見ていてわかることは、この能力を使うのには爆発的な命力を放出している。
例え桁外れに命力が多いとしても、コップから水を溢すように、すぐに底がつくはず。
何故、初めから使わなかったか?
答えはあまりにも短時間であるからだ。
そのリスクを冒してまで使ったのは、今の時点で能力を使えば勝算が高いから。
どうする。奴のガス欠を待つか?
その時に大剣の能力を使えば、俺の勝利は間違いない。
多分、能力は数十秒。
奴は焦っているはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!