第二十一章 奪還作戦

17/17
995人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
「だけど、それだけ母さんもリーネも大変なんだよな。早く助けなきゃ……」 アレクは後ろを振り向きながら曇った表情をしてみせた。 スターダストワン公の照らす道を、私達3人は浮かばない顔で進む。 「もう1つ聞きたいんだけど、この通路ってどこに通じているの?」 「帝都だ。」 「て、帝都!?」 まさかの答えに、私は思わず大きな声を漏らす。え、だって帝都って……勇者ギルドの本拠地と皇帝の居城がある場所じゃない! そんなことを考えていると、フォルトはさらに付け加えた。 「そう! ちなみにゴルギオスの居城だ。」 「な、なんで! なんでわざわざそんな所に!?」 私が聞くと、アレクも驚いた顔でこちらを伺っている。 「他に脱出できる所が無かったんだよ……」 私達二人に見つめられたフォルトは、渋い顔をしながら肩を落とした。 じゃ、じゃあ、そんなの絶対帝国兵が待ち構えているじゃない…… いや、まあここで私が活躍でもすれば、強い者として皇帝の目には留まるかも知れないけどさ。 なんだろ、今更だけど私も指名手配一歩手前よね……。 「とりあえずあのままあそこに居たら捕まってた。とりあえず、色々立て直す事から始めねぇと。」 「ロザリーともはぐれちゃったからね。」 「あいつの事だ。なんとか上手く逃げおおせてるんじゃないか?」 フォルトが明後日の方向をみながらいうが、なんかそれはそれですっごい腹立つ! まあ、後で助けてくれるならいいけど。 それぞれが色んな事を考えながら、私達は敵の本拠地である帝都へ足を進めたのだった。
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!