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「だけど、それだけ母さんもリーネも大変なんだよな。早く助けなきゃ……」
アレクは後ろを振り向きながら曇った表情をしてみせた。
スターダストワン公の照らす道を、私達3人は浮かばない顔で進む。
「もう1つ聞きたいんだけど、この通路ってどこに通じているの?」
「帝都だ。」
「て、帝都!?」
まさかの答えに、私は思わず大きな声を漏らす。え、だって帝都って……勇者ギルドの本拠地と皇帝の居城がある場所じゃない!
そんなことを考えていると、フォルトはさらに付け加えた。
「そう! ちなみにゴルギオスの居城だ。」
「な、なんで! なんでわざわざそんな所に!?」
私が聞くと、アレクも驚いた顔でこちらを伺っている。
「他に脱出できる所が無かったんだよ……」
私達二人に見つめられたフォルトは、渋い顔をしながら肩を落とした。
じゃ、じゃあ、そんなの絶対帝国兵が待ち構えているじゃない……
いや、まあここで私が活躍でもすれば、強い者として皇帝の目には留まるかも知れないけどさ。
なんだろ、今更だけど私も指名手配一歩手前よね……。
「とりあえずあのままあそこに居たら捕まってた。とりあえず、色々立て直す事から始めねぇと。」
「ロザリーともはぐれちゃったからね。」
「あいつの事だ。なんとか上手く逃げおおせてるんじゃないか?」
フォルトが明後日の方向をみながらいうが、なんかそれはそれですっごい腹立つ!
まあ、後で助けてくれるならいいけど。
それぞれが色んな事を考えながら、私達は敵の本拠地である帝都へ足を進めたのだった。
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