第4話

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「…………」 初見さんが足を止め、目を丸くした。 「何それ……」 ぷっと吹き出して身を屈めて笑い出す。 「もっとそういうの出したらいいんじゃないですか? 木崎さんとの絡みとか、見てると意外で……」 流れて出ていた言葉が止まった。 「え?……どうした?」 「いえ……。 ただ、初見さんはイメージ先行だから。 時間はかかるかもしれませんがちゃんと伝わりますよ」 「……そう?」 眉を上げ薄く笑う。 今……本音を隠した。 言いかけて止めた。 それで分かった。 ……自分がこんな性格だって初めて気付いた。 ありがたい事に、初見さんはこの件についてはもう触れなかった。 先輩が来たのは飲み会が始まって1時間程過ぎた頃。 初見さんの隣に座り、いつもの掛け合いをしているようだった。
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