第2章

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「アドリアン、か……どこの精霊王だろう」 アンジェラスが、考えこむような表情で長い睫を伏せた。 「わからないわ。でも、早急に始末しなければ厄介だわ」 冷やかな仮面をつけて、シャルディアラはついと窓の外に視線を投げた。 「昨夜のうちに、諜報騎士団には報告済みです。既に諜報騎士団が各地に散らばっています。素性が割れるのも時間の問題でしょう」 鋭く表情を引き締めて、レイチェルが口をはさんだ。 「……だといいけど」 レイチェルに冷たい横顔を見せて、アンジェラスは軽く肩をすくめた。 それからふっと息をついて、独り言のようにつぶやく。 「いずれわかることだ。素性が知れたらすぐに始末してやる」
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