憶測と苦痛

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 サーパンが投獄している地下から出た俺達は再びレミさんの部屋に戻って来た。俺はレミさんにライトを、チスイに大鎌を返したりしたが、殆ど会話はなかった。チスイからどうだったのかを聞きたいが、レミさんが上でって言ったから俺からも聞かないでいた。 「それで、どうだったのでしょうか?」  ソファーに座りながらレミさんが問う。事情の全てを把握したわけではないレミさんが少し曖昧な聞き方をする。そういう聞き方しか出来ないんだろう。 「間違いないわ。サーパンは操られていた。どれだけ話を聞いても無駄ね」 「その証拠が貴女が確認した痣ですか?」  正確には痣ではなく刺青だ。ただそれも消えかけているのであれば、元の物を知らなければ痣に見えなくもない。 「そうよ。私達は他にも操られていた可能性のある人の者を見てきた。その特徴が完全に一致している」  チスイははっきりと言い切る。レミさんは少し考えるように俯いた後、ゆっくりと口を開いた。 「なるほど、分かりました。サーパンの釈放については私一人では決められません。一度議会で議題に出します。次の議会まではサーパンにはあの中にいてもらう必要があるでしょう」  とりあえずサーパンの事をもう一度検討してくれるって事は分かった。ただ、レミさんがさらりと言った議会というこの世界では聞き慣れない言葉が耳に残る。 「議会って?」  チスイも聞き慣れないからかレミさんに問う。 「そうでした。仁さん達は新しい政府の形を把握していないんでしたね。議会は魁さんがギルド長を辞める前に提案して我々が形を作った新政府の決定機関になります。重要な事柄はここで話し合って決める事になっているんです」 「へー、そんな組織を作ったんだ。で、ギルド長を辞めた魁ってどこで何をしているの?」  チスイの疑問は議会の事よりも魁の方に及ぶ。確かに魁がどこにいるのかは把握しておきたいな。帰れるってなった時に連絡取れないのは困る。バッツに頼めば探してはくれるだろうけど。
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