59人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
時々、今自分が生きてることに何の意味があるのかと考え込んでしまう。
何のために生まれて、何のために生きていくの？
考えれば、考えるほど虚しさがこみ上げてくる。
パチパチパチパチ
大勢の人たちから祝福の拍手を浴びながら、幸せそうに寄り添う新郎と新婦。
ライスシャワーが、ふたりの上に降り注ぐ。
誰しもが祝福し歓喜するこの場所で、ただひとり私だけは、その幸福に包まれた光景を無表情で見つめていた。
本当なら、彼と一緒に寄り添い皆から祝福されたのは彼女ではなく、私だったはずなのに。
新郎と新婦が、ちょうど私の目の前を通り過ぎようとしたとき。
人と人の隙間から、新婦である彼女と私の目が合った。
彼女は、まるで私を見下すように口元に微笑を称えていた。
そのとき、私の中で何かがはじけた。
最初のコメントを投稿しよう！