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何故突然そんな事を思い出したのか……。
「逢初(アイゾメ)神社」
私がそう呟くと、
「へぇ、コレってそう読むんだ」
と、彼が言った。
「そう言えば、うちの地元にも同じ名前の神社、あったな」
今度は彼女がそう言って朱い鳥居を見上げた。
「どこにでもあるのかな?俺んちの近所にもあった気がする」
彼はそう言うと、鳥居をくぐり石段をトントンと軽快に駆け上がる。
「無理すんなよ。コケるぞっ」
もう一人の彼がそう叫んだ時、突然蝉の鳴き声が五月蝿い程大きくなった。
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