第1話

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時としてこの世、この現代には、火や水と言った属性と称される力が存在し、それらを日常の一つとして、当然のように扱う者達が沢山いる。 例えば今、僕は道路の舗装された道を通学している最中だけど、ふと横に目を向ければ、地に手を押し当て、地面を揺らし、丁寧に割れ目を作り、土を掘り起こしている最中の、工事現場のおじさん達がいた。 さらにその隣りでは、自身に電流を流し、発電させた力でショベルカーなどの重機や機材を巧みに操作して、盛り上がった土をすくい上げている人もいたりする。 地と雷。この二つの属性を上手く利用して、現在僕が歩いてる道は、出来上がっている訳だ。 他にも、火を扱う仕事なら火属性に長けた人が活躍し、水を扱う仕事ならば、それに適した人達がいるということ。 各々、自らの力を有効に活用することで、僕のいる世界は成り立っている。 正に属性様々。 便利で住みやすい世の中になったものだと、生まれてまだ16年しか経過してない僕は、両手を合わせ、拝むようにすり合わせて(ありがたや、ありがたや)と、心の中で呟いてみた。 出来ることなら、僕もその中に貢献したいとは思うけど、現実は漫画やアニメ程都合良く行かないのが常と言うもの…。
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