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私は電話の子機を耳に押しつけたまま、家の外に飛び出した。
外には誰もいなくいた形跡さえなかった
私は声を振り絞り
「メリー、いじわるしないで。私、メリーに会いたいの。
もう、ここにいたくないの。・・・一人にしないでよ・・・」
涙で視界を滲ませながら、必死にメリーを探す。
すると、耳に押しつけたままだった子機からメリーの声が私に届いた。
「あたしメリーさん。今、あなたの後ろにいるの」
その声を聞き私は背後を振り返った。
そこにメリーの姿はない。
どこにいるの。
でも、電話ごしのメリーの言葉は続く。
「見えないけど、ずっとずっと貴方の傍にいるの。
だから、頑張って。
大丈夫、あなたのことはずっとあたしが見てるから・・・一人じゃないから・・・」
メリーはそう言って電話を切ってしまった。
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