プロミスリング

21/22
149人が本棚に入れています
本棚に追加
/394ページ
都心の真ん中とはいえ、ここは、雅人の話通り、星空が、よく見えた。 さすがに、天の川は、見えなかったが…。 「あのさ、今日、こんな、食事会開いた、本当の理由なんだけど…これなんだ…。」 雅人が、出してきた小さな箱の中には、キャンドルの光に煌めくペアの指輪があった。 「新宿のミルキーウェイに行って、作ってもらったんだ。」 「蓮叔父様に、作ってもらったの!?」 「ああ。昌浩に頼んで、場所と店、教えてもらったんだ。 香菜は、ペアのもの、欲しがってたでしょ、篤志さん。…でも、あなたは、作らなかった。 それは、そうですよね。梢と繋がってるドックタグがあるのに、新しいペアのもの香菜と作るわけには、いかないですもんね。 俺ね、香菜と付き合うって決めてから、考えていたんです。 絶対に、香菜とペアのもの作るって。 ふたりに、当て付けに、ドックタグ作ろうかとも思ったんだけどさ…なんか、違うなって。 それで、まあ、定番だけど、指輪。 ミルキーウェイで、作ってもらったんだから、天の川にちなんだ、七夕に、渡すのもいいかなって。」 「雅人、それすごく素敵なアイデアだね。」 「そうだろ、梢もそう思うよな。 で、ふたりに、お願いなんだ…俺の気持ちを、香菜に贈るから、見届けて欲しいんだ。」 「わかった。その話、受けた。」 「ありがとう!」 雅人は、嬉しそうに笑った。
/394ページ

最初のコメントを投稿しよう!