姉と私

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キーンコーンカーンコーン… 「………ふぅ………帰ろ…」 鐘が鳴ってすぐにカバンを掴んで外に飛び出そうとすると、後ろから肩を叩かれた。 「秋っ!帰ろっ!」 「春…でも……私、今日は図書室に寄りたくて……」 すると、私と鏡映しの見た目をした彼女は、私とは違う、みんなを惹きつける笑顔を私に向けて、 「じゃあ、一緒に行かない?待ってるよ!」 …と宣った。……ふざけんな。 「い、いいよ!私、1人で行くから!春は、みんなと約束があるんだからさ、先に行ってて。本を借りたら、すぐに追いかけるから。」 そんな会話をしていると、春の後ろから男の声がする。 「なぁ春ー、秋の事なんか放っておいて、先に帰っちゃおうぜ?」 「そうだよ菅原さん。妹さんもああ言ってるし、お言葉に甘えよう。帰りにスポーツショップに行きたいんだろう?」 春の金魚のフン……いや、大勢いる取り巻き達の中でも幼馴染とクラス一(学校一ではない)のイケメンという代表的な立場の2人がそう言うと、春は渋々頷いた。 「そうだね……スポーツ、秋はあんまり好きじゃないからつまんないだろうし……先に行ってるね。いつもの公園で待ってるから。ラインする。」 「うん。分かった……後でね。」 春はひらひらと手を振って、クラス男子のほぼ全員と学校内の名だたる有名人が春の後に着いて行った。
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