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「はぁ~」
俺は大きく溜め息を吐いた。
この一年間何も起きず平凡な高校生活を送ってしまった。
俺の考えていた一年間はこうだ。
遅刻しそうになり、美少女とぶつかる。そしてその子は自分のクラスに転入、もちろん席は隣。
その後委員会も同じで一緒にたくさんの時を過ごす。
そして色々なイベントをこなし、最終的にはカップルになる。
今上げた例ほんの一部でしかないが他の物も上げるとなると切りが無いのでここでやめよう。
こんなことを自分で言っていて悲しくなってくる。
こんなことを考えているうちに時間は過ぎ去っていたようで、始業式が始まる時刻になった。
「これから体育館に移動します。廊下に一列で並んで下さい。」
教室のドアを開けた女の先生がそう言うと、みんな一斉に立ち上がり教室から出た。
「優人~俺たちまたクラス一緒になれるといいな!」
こいつの名前檜朝日。中一からの付き合いで、かれこれ四回同じクラスになっている。まあー腐れ縁ってやつか。
「はぁー。せめてお前が女の子だったら大歓迎だったのに。」
「つれないなー」
そんな話を小声でしながら俺たちは体育館へ向かった。
始業式が始まった。
俺たちは校歌を歌い、校長先生のありがたい長い話を聞き、気がつけば始業式は終わっていた。
発表された新しいクラスに行く途中
「俺たちまた同じクラスだな!」
朝日が少し嬉しそうに声をかけてきた。俺はびっくりして聞いてたが、結局こうなるだろうなと心のどこかで思っていた。
本当にこいつが可愛い女の子だったら‥‥
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