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誰待ってんのかなー。
と、思いつつ私もちら見。
「アカリちゃんは嫌いなんですか?佐野くんのこと」
「大嫌いだよ、あんな奴。」
…昔、何かあったのかな?
そんな考えがよぎりつつ校門を通り過ぎようとする。
「井上先輩!」
声に引き止められて立ち止まる。
佐野くんだ…。
アカリちゃんは一瞬立ち止まって私に忠告した。
「何度も忠告するようだけど、絶対に佐野に深入りするなよ。」
そう言うとアカリちゃんは間近で佐野くんを睨みつけ靴箱に向かって行った。
あっ…アカリちゃん。
怖すぎ。
いくら嫌いでも…私はあんなこと出来ないや。
「垣之内先輩に相当嫌われてるんすよね、俺。」
「アカリちゃんとは…知り合い?」
そのくらいしか返してあげる言葉が見つからない。
「まあ…知り合いの知り合いってところですかね。」
「…そうなんだ。じゃあ私行きますね。」
「待って下さいよ、」
腕を捕まれて真剣な表情で私を見る。
…そんな顔で見ないで…。
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