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「本当に妊娠してたらどうしよ‥。」
「まあ、現実的な話をすると学校休学して伊藤龍之介にそのこと伝えて一緒に面倒を見る。それが一般論じゃない?好きな人との間に出来た子供だよ、普通嬉しい。あんたは嬉しくないの?」
龍之介の赤ちゃんだったら嬉しいにきまってる。
でも現実的なところで、そう簡単にはいかない。
まず、龍之介はまだ社会人になったばかりなのにあの伊藤社長が子供のことを知ったらどういう反応をするのか全く分からない。
せっかく入った大学だって休学して、多分マンションから実家帰りを余儀なくされる。
龍之介がもし喜んでくれなかったらどうしよう。
そしたら私と赤ちゃんで生きていくしかないのかな‥。
今の龍之介にとって子供が出来たことを重荷と考えられたらもうそれまで。
お父さん、お母さんにはなんて言おう。
きっとお父さんには絶縁されるだろう‥。
「何でそんな暗い顔してるの?」
「現実が厳しすぎて。」
ドラッグストアで妊娠検査薬を買って私のマンションに戻る。
今日は念のためにアカリちゃんは私の部屋に泊まってくれるらしい。
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