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序章:天歌<ソラウタ>
忘れられない大切な人。
あなたはもう
この世界の何処を探しても
どんなに呼び掛けても
私の前に現れることはない。
あなたの微笑みも、泣き顔も
私の中にしか存在しないから。
あなたは
"思い出"に変わってしまったから。
私はあなたに
囚われているわけじゃない。
ちゃんと前をむいているよ。
だけど、時々寂しくなるの。
……会いたくなるの。
だから、今宵
私はあなたとの思い出を胸に
眠りにつきましょう。
せめて、夢の中でだけは会えるようにと
願いをこめて。
それが幻であること
目覚める時がくること
全てわかっていても……
私は、あなたに会いたいのです。
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