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……おまじない?
確かに、そう聞こえた。
ボーッとしてたのが、
先生の一言により一瞬にして覚醒した。
車は、信号で停まってて、
先生もくるっと方向転換してた。
慌てて、ぎゅうっと瞼を閉じてじっとしてたら、
……ポンポン
頭を優しく撫でてくれた。
「どうした?…違うこと、期待してたのか」
イジワル!
そんなこと……。
少しは、あったけど。
「違います!そんなこと…」
「思ってたんだろ?」
意地悪な顔で、
私の顔を覗くようにして
からかうように言う冬木先生。
「……思って、無いです!」
「ふうん、まぁ、いいけど?」
それだけ言うと、
何も無かったように
運転を始めて、タバコをくわえていた。
なんか、恥ずかしくて、沈黙が嫌で、先生に話し掛けてた。
「……先生、ご褒美ってなんですか?」
「さぁな?……良かったらって、言っただろ?今は秘密」
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