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「いいえ、気にしないで……私の方こそありがとう。助けに来てくれたとき、本当に嬉しかった。」
レミはユカリをそっと下ろしながらそう言う
「待っててね、すぐに戻るから……またあとでお話しましょう」
レミはそういって闘技場に戻る
「レミちゃん……」
ユカリは、レミに惚れたように呟く
「お別れはすまして来たのか?」
闘技場に戻ると、ズィーベがそう尋ねてくる
「律儀に待っててくれたのね……お別れは必要ないわ。私は死なないもの」
「また、すぐに壊してやるよ」
ズィーベはダークボールをマシンガンのように乱れ射ってくる
「そんな小細工……」
私はすべて回避し、持ち前の素早さでズィーベを攪乱する
「ちょこまかと……」
「せあっ!」
私は一気に肉薄し、ズィーベのむねに突き刺さっているレイピアを抜き、左胸、鳩尾、右胸と連続して突きを入れる
「良い突きだ……けど残念。効かねぇなぁ」
しかし、ズィーベの傷跡はみるみるうちに回復していき、あっというまに塞がる
「隙が出来たぞ!」
「くっ」
ズィーベの撃ってきた拳をすんでのところで避けるが、拳圧だけでもかなり飛ばされる
着地には成功したが、方膝をつく先のダメージで体は既にボロボロ。身体強化でごまかしているだけであり、体力も限界だ。
まずいわね……早く終わらせないと……私の体が持たない……
魔法は身体強化以外に使えないし……本格的にヤバイわね
打開策を見つけられずにいると、上で様子を見ていた。細身で顔立ちのいい男と、女のように長髪で目付きの悪い男も降りてくる
「時間をかけすぎだ、ズィーベ」
細身の男がそう言う
「あ?なんだよノイン、これからが面白いんじゃねぇか」
「つっても、まだ殺さなきゃなんないんだぜ?」
長髪の男が、笑いながらそう言う
「そう言うことだ、3人で一気に終わらせるぞ。アハト、ズィーベ」
まずい、上の二人も降りてきた……今なら、ユカリだけなら連れてでも逃げ切れる。けど、それは学校の皆を見捨てる事になる………
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