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バカか私は……いままで見下してバカにしてきた連中だ。助ける義理なんてどこにもないのに。ユカリの命と私の命…どっちが大事かなんて比べるまでもない
なのになんで……立ち上がるんだ。私は…なんで剣を構えるんだ。私は
勝てないとわかっていても……それでも立ち向かおうとするなんて……
『いいか、レミ…たとえ理解されなくても、バカにされ、見下されても、最後まで見捨てずに戦い抜く。それが一番格好いい生き方だろ』
不意に、お兄ちゃんの言葉を思い出す
そっか……なんで立ち上がるのか……なんで立ち向かうのか……血は争えないってことかな
ごめん、ユカリ……
「ここは死んでも……通さない」
私は、覚悟を決め、レイピアを構える
「いいだろう。人間、その覚悟を買って一思いに楽にしてやろう」
細身の男、ノインが剣を抜く
「おー、やってんなぁ………俺も混ぜてくれよ」
「ユウリ!」
突然、私の目の前にユウリの背中が現れる
「ん?……おお、レミ、随分ボロボロじゃねぇか……頑張ったな。あと、魔力解放おめでとう」
そう、優しく微笑みながら言うユウリ
「……遅いわよ。けど、ありがとう………あとは、任せたわ」
私は、これまでの緊張の糸が切れ、その場に倒れる
レミsideend
ユウリside
「ちっ……また邪魔が増えた……」
「そう言うなよ。折角だ。楽しもうぜ……人数も丁度3対3だ。一騎討ちといこうじゃん。ホムンクルスさんよ」
レミをそっと寝かせ、ホムンクルス共に向き合いながらそう言う
「我らの事を知ってるとは驚きだ。だが、余計に生かしてはおけないなズィーベ、アハト、確実に仕留めるぞ」
ホムンクルスは、そう言って臨戦態勢になる
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