波紋

9/10
1462人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
ギルがそう言った途端、教室の中が一気に騒がしくなる。 「編入生?この時期に?」 「しかも二人だって!」 「男の子と女の子どっちだろう?」 「私かっこいい男の子がいいー!」 「いやいや女の子だろ!とびっきり美人の!」 「そんな都合良く美人な子が来るわけねえだろ」 まあ騒ぐ騒ぐ。あまりにもうるさくて耳を塞ごうとすると、それよりも早くギルが声を上げる。 ギル「うるせえ!話が進まねぇだろうが!今からその二人を紹介する。さっきみてえに騒ぐなよ?おい、入って来い」 生徒達に騒がない様に釘を刺したあと、ギルは教室の外にいる編入生を呼ぶ。 生徒達が期待に満ちた目でドアを見る中、ガラガラッと少し控えめにドアが開く。 そして入って来たのは…… ギル「簡単に自己紹介しろ」 神谷「初めまして、神谷優人です。勇者としてこの世界に召喚されました。魔力量は1000万、属性は火と雷と光です。仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」 風見「風見亮だ。俺は巻き込まれただけだが、一応俺も勇者ってことになってる。魔力量はこいつと同じで、属性は風と土と闇だ。よろしく」 勇者二人である。 この学園に通うのは知ってたけど、まさか同じくクラスなんて……まあ、勇者なんだしSクラスでも不思議じゃないか。 「神谷くんかっこいいー!」 「勇者って、一週間前に召喚されたって言ってたやつ?」 「魔力量も属性も多いし、さすが勇者だな!」 「黒髪の方は平凡顔だな」 風見「悪かったな平凡顔で!」 さっきギルに釘を刺されたからか、今度は小声で騒ぎ始める生徒達。 魔力量が1000万てことは、実力を隠してるんだね。 よく見ると、二人とも指輪型の封魔具を付けている。魔力を五分の一に抑えるものだ。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!