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ギルがそう言った途端、教室の中が一気に騒がしくなる。
「編入生?この時期に?」
「しかも二人だって!」
「男の子と女の子どっちだろう?」
「私かっこいい男の子がいいー!」
「いやいや女の子だろ!とびっきり美人の!」
「そんな都合良く美人な子が来るわけねえだろ」
まあ騒ぐ騒ぐ。あまりにもうるさくて耳を塞ごうとすると、それよりも早くギルが声を上げる。
ギル「うるせえ!話が進まねぇだろうが!今からその二人を紹介する。さっきみてえに騒ぐなよ?おい、入って来い」
生徒達に騒がない様に釘を刺したあと、ギルは教室の外にいる編入生を呼ぶ。
生徒達が期待に満ちた目でドアを見る中、ガラガラッと少し控えめにドアが開く。
そして入って来たのは……
ギル「簡単に自己紹介しろ」
神谷「初めまして、神谷優人です。勇者としてこの世界に召喚されました。魔力量は1000万、属性は火と雷と光です。仲良くしてくれると嬉しいです。よろしくお願いします」
風見「風見亮だ。俺は巻き込まれただけだが、一応俺も勇者ってことになってる。魔力量はこいつと同じで、属性は風と土と闇だ。よろしく」
勇者二人である。
この学園に通うのは知ってたけど、まさか同じくクラスなんて……まあ、勇者なんだしSクラスでも不思議じゃないか。
「神谷くんかっこいいー!」
「勇者って、一週間前に召喚されたって言ってたやつ?」
「魔力量も属性も多いし、さすが勇者だな!」
「黒髪の方は平凡顔だな」
風見「悪かったな平凡顔で!」
さっきギルに釘を刺されたからか、今度は小声で騒ぎ始める生徒達。
魔力量が1000万てことは、実力を隠してるんだね。 よく見ると、二人とも指輪型の封魔具を付けている。魔力を五分の一に抑えるものだ。
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