2586人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
泣いている本人が一番驚いているなんて可笑しな感じ。
「ううん、ごめん。大丈夫、具合悪いわけじゃないから」
慌てて手の甲で涙を拭うと笑ってみせる。
でもユキは食べる手を止めたまま私の事を心配そうに見ている。
私は背筋をピンと伸ばし、深呼吸をすると
「ユキ、話があるの」
真剣な眼差しでユキを真っ直ぐ見つめる。
瞬間、ユキの表情が少しだけ曇ったのが分かった。
「昨日の事。ちゃんと話し合いたい」
でも私は気づかないふりをして話し続ける。
私の真剣な様子にユキは一旦、目を伏せ深く息を吐いた。
「そうだな。ちゃんと話さなきゃな」
そして私同様、背筋をピンと伸ばし、真っ直ぐ向き合ってくれた。
.
最初のコメントを投稿しよう!