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夢愛学園高校のエントランスホールに飾られている花。
大きな花器に生けられた私の背丈を超えるそれに、毎回毎回目を奪われた。
花になんか全然興味がなかったのに、私にもあんな作品がいつか作れるかもしれない、そう思って私は3年間華道部に通い続けた。
それでも素人に毛が生えたようなレベルにしかならなかったけど。
……これを見るのも最後かぁ。
「今回のもまた繊細でいいな……。
なのに華やかさと力強さを表現できるって……。
コレ持って帰りたいなぁ……」
一体どんな女性が作ってるんだろう?
きっと本人もすごい美人に違いない。
「……そんな風に言われると光栄です。
後で包んであげましょうか?」
そう呟きながらうっとりと眺めていると後ろからスっと手が伸びてきた。
びっくりして飛び退く。
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