‡宝物‡

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安らかな気持ちで、妊娠生活を過ごしていたせいか、何の問題もなく臨月を迎えた。 予定日を、三日ほど過ぎた夜中に瑞穂は破水をし、慌てて産院に連れて行った。 立ち会い出産をさせてもらえる事になり、一緒に分娩室に入る。 今まで、見たこともない瑞穂の苦しく、辛そうな顔を見ると可哀想に感じた。 そんな思いをして、俺との子供を産んでくれる事に、感謝だ。 俺はただ、瑞穂の手を握り、 『瑞穂、頑張れ』 と、言う事しか出来ない。
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