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ホームでは間ばらになった人達が次の電車を待っていた
「俺、楽しかったです、雪野さんと仕事出来て、色んな事教えてもらえて」
「私も楽しかったな…色々あったけど」
滝本君に初めて外回りに同行させた事、今でも覚えてる
カチコチのブリキ人形みたいになってたの…可愛かったなぁ
私のミスに付き合ってくれて遅くまで残業して、帰りにラーメン食べた事とか
思い出してふふっ…と笑った
「雪野さんがいなければここまでやれませんでした…元々内定もらえた勢いで入った会社でしたし」
「…そうだったの?」
「はい、化粧品とか元々そんなに興味もありませんでしたし」
確かに滝本君の見た目からすると到底化粧品には結び付かない
「けれど、雪野さんが楽しそうに商品の話しているのを見ているうちに思えてきたんです、あっ…何かこの仕事いいなって」
そう言うと滝本は私の方を向いて楽しそうに笑った
「だから、後悔してないんです」
滝本君の真っ直ぐな笑顔に目頭が熱くなった
ありがとう、私の事を想ってくれて
見えない所で支えてくれていて
滝本君の気持ちが素直に嬉しいから、私も精一杯の気持ちを伝えるね
「ありがとう、それからゴメン」
そう言うと私は精一杯笑った
心からの笑顔で
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