第14章

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 ”ピコン” PC の画面にメール受信の案内が出た。米澤さんからだと思って開くと、案の定米澤さんからだった。 ”ごめんね、ちょっとだけ遅刻します。先にミーティングルームで待っていて下さい” どうしたんだろう。と疑問を持ちながらもなぜとは訊かずに”了解”と送信した。米澤さんは見掛けとは相反してとても真面目だ。だから、遅刻はおろか突然の変更は珍しかった。彼の性格上、変更がある時は前日にお知らせがくる。それゆえ、こんなギリギリなメールが意外で、よっぽどのことがあったのだろうと思った。  「ちょっとだけ」がどれほどちょっとなのか見当もつかないなと考えながら、もう行っちゃおうと判断し資料を持ってミーティングルームに向かった。  右手に抱えたデイジーの資料が重い。コスモスの花がまだ鮮やかに心の中にあるのに、この花とどう向き合っていいのか分からなかった。
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