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「か、和希、聞いて! 海藤さんのいうことは全部嘘なの! 私のことなんて好きでもないし、遊び道具なの……知っていてのっかったの……
和希、私のことをこんなにも好きでいてくれたんだね……ごめん、私……」
――泣き落としか? 耳を傾けるとドロドロに脳味噌がとけそうになる――死ねよ、俺。
「……美夢。俺の人生の中でお前が一番だ。ただの恋人同士だったら浮気ぐらいいいさ。でも結婚してからはあまりにもひどいだろう……」
不覚にも少量の涙が浮かび、うっすらと視界をぼかした。
――ドンドンドン!!!! ドンドンドン!!!!
扉の向こうで貴方たちここにいるのね、という合図がした。
「海藤貴子さんのお出ましか……はいれよ奥さん!!!! てめーの旦那はここで浮気してるぜ! 現場を見てやってくれよ!!!!
力也さんよ、味方が現れて心底、心強いだろう? えっ? どうなんだ!!!!」
――ダンッ!!!!
ドアが勢いよく開けられた。
「課長!!!!」
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