第0章

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新世界での戦いから三ヶ月後 遂に始まった[ソレ]は唐突に現れた。 ゴールデンタイムのチャンネル全てをジャックし、アディスによる宣戦布告の儀式が日本全土に放送された 裏金や地位の亡者となっていた政治家が生け贄となり、ヤマトに命を喰われた。 「………始まったみたいだね…」 漆黒の携帯をテーブルに画面を上向きにして起き、<誰も>居ない部屋でテレビを見ながら呟く。 『現実世界では兄さんも、響さんも戦えないよ?』 『無茶はしないでね。 兄さん、絶対今アディスをどうにかしようって考えてるでしょ?』 携帯から順番に聞こえてくる、仮想世界からの声。 新世界のバックローダーに三神由希と共にデータが転移した真由と蒼夜の声に、内心で苦笑を漏らしつつ「大丈夫」と短く告げる。 本当は見透かされた通りなんだけど、二人には黙っておく。 そう、ダイレクトモーションで戦えたモバゲーサバイバルや新世界と違い、リアルの自分は新世界へ連れ去られる前まで、モバゲーサバイバルの様な世界での運動速度をブーストする為に格闘技や古流武術に手を出しただけ。 おそらくヤマト達アディスはリアルで軍隊の様な組織に居た経験がある。 アディスのしたっぱ相手なら自分でもリアルで対処出来るだろうが、東雲やヤマト相手では人間VS蟻くらいの差があるだろう
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