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明らかに不機嫌な俺を横目に絵里は気まずそうに笑った。
そう、結局あの後3人で空港まで向かうことになったのだ。
別に絵里も加わることは構わない。でも、さっき佳澄が言いかけた言葉が気になって仕方がなかったのだ。
(なんだろう…。)
俺が難しい顔をしていると絵里が「あっ!」と声をあげた。
「ん?なんだよ。」
俺の問いに絵里は「空港!次の駅だよ!」と少しテンションをあげた。
絵里の言葉に「あぁ…。」とつぶやく俺を見て佳澄がクスッと笑った。
俺は首をかしげたが、それ以上の反応は見せなかった。
「あっ!着いたよー!」
と、絵里は元気よく電車を降りて行った。
そんな姿をみて俺は呆れながら絵里の後について行った。
空港の全体の集合場所に行くともうかなりの人が集まっていて賑わっていた。
こっちの11月はもう肌寒いのに半そでを着ている奴、サングラスに麦わら帽子。
沖縄に対してのみんなイメージは南国らしいが、実際この時期はもうそんなに暖かくないことを俺は知っている。
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