九歩目 「繋がる」

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「今のは……?」 そう、あたしが問いかけようとした時と同じく、残された彼女が、待たせていた女の子たちに訊ねられた。 「すっごいイケメン。友達なら紹介してよ」 「隣に彼女いたのによく言うー」 「そういやルリの中学ってかっこいい子多かったよね~! 卒アル見た時、思ったんだよー!」 ギュッとあたしの手を引き寄せる直くんを見つめて、大津ルリという子が唇に触れる。 「……あーあ、惜しいことしたなぁ」 「え? 何?」 「ううん、なんでも。てか、直くんはあんたらみたいなギャルには興味ないから~!」 「うっわ、ひど! ルリだって人のこと言えないくせにー! そういや最近、一矢とはどういう……」 踵を返す集団の中、ルリさんは最後まであたし達を見ていた。 ――ということはもちろん、知らない世界の話で。 「……、」 必要以上に力を込めた直くんの手に、あたしは言葉に出来ない不安を感じていた。
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