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「ゴメン、もうお前とは付き合えない…」
そう言って彼は僕に背を向け去っていった。
彼こと戸村安海と僕、崎村梓は恋人だった。
だったと言うのはたった今、その安海に別れを告げられたから。
僕と安海は男同士だったけどそんなのはこの星夜学園では当たり前だったし、この前までは幸せだった。
だけどある日、アイツが来てから幸せだった毎日が壊れた。
アイツこと真辺勇はこの学園に転入してすぐに学園にいる親衛隊持ちの人気者を虜にしていき、安海も彼の虜になっていった。
最初はまたすぐにこっちを向いてくれると信じていたけど、日に日にその気持ちも諦めの気持ちにかわっていった。
安海は僕が何を言っても、聞く耳を持たず以前までは親衛隊の言葉に耳を傾けていたがそれすらもしなくなってしまった。
変わり果ててしまった安海の態度に僕はもうあの楽しかった日々は終わってしまったんだ、もうすぐ僕は切り捨てられるだろうと覚悟を決めていた。
決めていたはずなのに…。
実際に別れを告げられると冷静にいられないとは思っていなかった。
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