第1話 紅つばき

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【二】 社務所から歩いて5分ほどのところに本殿がある…。 周りは木で出来た塀にぐるり囲まれている。 高さは2メートルほどで、大人の膝上あたりまでは石垣になっている。 その本殿の左側に大きな紅つばきの木があった。 ちょうど花時で、たわわに花を付けていた。 しばし眺めていると 時に空気を切るように ボタッといきなり花弁が落ちて、静けさを遮った…。 落ちた花弁は通路まで広がり、紅いじゅうたんを敷き詰めたようにキレイだ…。 周りは深緑の色合いのなかにある。 そこだけ日当たりも良くて…、 つばきの花の紅色がより鮮やかに、艶やかに目に眩い。 1枚の絵画のような、妖しいほどに美しい。
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