捕まえたい女

30/30
3769人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
週が明けて月曜。 朝食を食べて出社する時間。 テーブルでは父が食後のコーヒーを飲んでいた。 出社はもちろん、私の方が先だ。 「行ってきます!」 私が慌てて席を立ち、ダイニングのドアに向かうと背中から父の言葉が追ってくる。 「気をつけるんだぞ」 私はドアを抜けて2、3歩進んだ足を止めて、もう一度ドアの中を覗く。 「…お父さんも、いってらっしゃい」 父は嬉しそうに返事をした。 「行ってくるよ」 素敵な一日の始まり。 ステキな一週間の始まりに、 私は玄関へと駆け出した。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!