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《ドルシside》
「またお前等かよ」
出てくるなり、嫌そうに顔を歪める。
今日も講師で、賢者様が来ている。
しかも、フープジオンの三校が集まっている。
集まっている場所はフィンブル学園。
今日は総合的な力での模擬試合。
魔法、魔武器、使い魔、総ての力を使う。
俺が選ばれる要素は、勿論ルキアが使い魔になっているから。
魔武器や魔法が強くなくても、ルキアがいれば総てカバーできる。
「昔はこんな行事、なかったのに……
面倒くせぇな」
周りの様子なんか視界に入っていないようで、不満を口にしている。
俺の使い魔が“伝説の賢者・夜御様”だという噂は、あっという間に知れ渡ったようだ。
つまり、此処にいる皆が、ルキアがあの夜御様だという事を知っている。
見た目の若さや美貌、口の悪さなどに驚いている顔が並んでいる。
青色の髪と瞳を改めて見て、感動して泣いている人もいる。
……ルキアは見てないけど。
たぶん視界に入っただろうけど、バッサリと切り捨てて無視している。
完全に見てないふりだ。
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