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「そうそう。ほら、僕、君たちに以前言ったじゃない。力の使い方をもっと考えるようにって。それ、貴之ができていたから言えたんだよ。」
先生の力は、悪用すれば相手の意思と関係のない行動をとらせることも可能である。
そして、今のように危険な行為を制御することも、相手の興奮や苛立ち、悲しみを鎮め癒すことも。
先生が、どちらを選んで能力を使ってきたかは明白である。
「・・・すんません。頭、冷えました。」
「いやいや。これの言い方が相変わらず悪い。シンさんが怒るのも無理ないわい。」
黄嶋の横にいた先生が、親友の頭を軽く小突いた。
「痛い!だって、僕は正直に言っただけなんだよ。」
「言い方があるわ。馬鹿者。・・・まさか、おまえがそれを望むとは、わしも思わんかった。」
20年以上前の親友の決断―――それがこんな形をとろうとは。
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