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……顔に風が当たる。
そして顔に何かが当たる。
ついでに、何かで顔を突っつかれる。
う……っ?!
「ちょっと、雪乃。何やってんの?」
「だってー月優ってば、人が呼んでんのに、ぼうーっとしてるんだもの」
彼女はそう言って、下敷きであたしの顔を仰ぎ、ナプキンであたしの顔を叩き、シャーペンであたしの顔を突っついていた。
……ってか、痛いじゃん!
「何よぉ……何か用な訳!?」
考え事をしていたあたしは、彼女に視線を移す。
そこで彼女は、メイクで出来上がった顔を輝かせながら口を開いた。
「今から合コンなんだけど、どう?」
彼女の口から飛び出た言葉に、目を丸くする。
“合コン”
……その響きに緩みそうになる顔の筋肉を引き締めて、言葉を返す。
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