第1話

2/13
128人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
初出社の翌日ーー。 僕はオフィスに来るなり、社長室に呼びだされた。 岡野(……なにか、ヘマしたのかな?) ばくばくする心臓を、そっと片手で押さえながら入室する。 窓からは、高層ビル群のそびえ立つ姿が見えた。 そこには長い髪をひとつにまとめた後ろ姿……。 岡野(この髪って……) 喜多嶋「お前、本当に酔わないな。昨日、あれだけ俺と飲んで、平気なのか?」 ??「お前が弱すぎなだけだろ?昨日くらいじゃホロ酔いにもならないぞ」 喜多嶋「この化け物め」 喜多嶋社長と屈託なく話す声……。 ビルを見下ろす大きな窓のせいで、少し逆光気味だけど、それには見覚えがあった。 岡野「失礼します」 喜多嶋「来たか?」 鷲見「やあ……」 振り返ったのはリーラルを率いる若き社長。 岡野(えっ!!鷲見社長?どうして、ここに?) 目をぱちぱちさせていると、大股で鷲見社長が僕のそばに歩み寄ってきた。 鷲見「また会えたな。豆ヒロ」 岡野(豆って!?) 喜多嶋「岡野、実は、あたらしいプロジェクトがあるんだが……それをお前に任せたいと思う」 社長のデスクに座ったまま、喜多嶋社長が告げる。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!