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初出社の翌日ーー。
僕はオフィスに来るなり、社長室に呼びだされた。
岡野(……なにか、ヘマしたのかな?)
ばくばくする心臓を、そっと片手で押さえながら入室する。
窓からは、高層ビル群のそびえ立つ姿が見えた。
そこには長い髪をひとつにまとめた後ろ姿……。
岡野(この髪って……)
喜多嶋「お前、本当に酔わないな。昨日、あれだけ俺と飲んで、平気なのか?」
??「お前が弱すぎなだけだろ?昨日くらいじゃホロ酔いにもならないぞ」
喜多嶋「この化け物め」
喜多嶋社長と屈託なく話す声……。
ビルを見下ろす大きな窓のせいで、少し逆光気味だけど、それには見覚えがあった。
岡野「失礼します」
喜多嶋「来たか?」
鷲見「やあ……」
振り返ったのはリーラルを率いる若き社長。
岡野(えっ!!鷲見社長?どうして、ここに?)
目をぱちぱちさせていると、大股で鷲見社長が僕のそばに歩み寄ってきた。
鷲見「また会えたな。豆ヒロ」
岡野(豆って!?)
喜多嶋「岡野、実は、あたらしいプロジェクトがあるんだが……それをお前に任せたいと思う」
社長のデスクに座ったまま、喜多嶋社長が告げる。
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