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妹がちょろ過ぎてお兄ちゃんは少し心配になります。
「さて、俺も寝るかな」
携帯電話を取り出し時計を見ると、まだ午前6時20分。
あと7時間は寝ていられる。
と思った矢先、携帯電話が震え、着信音を鳴らした。
『着信 早坂清隆』
まだこんな時間。
嫌な予感しかしなかったが、着信音で一歌が起きてしまうのが怖く、だからといって問答無用で切るほど憎らしい相手でもないので、開けっ放しになっていた窓からサンダルを履き、庭に出ながら通話ボタンを押した。
「はいもしも」
「やっほー赤坂!起きてた!?起きてたわけないよな!おはよー!今日も良いシスコン日和だなっ!」
テンションが高すぎる奴は面倒臭い。
ついさっき妹から学んだことを、まさかこいつに復習させられるとは思わなかった。
今まさに睡魔に耐えかね寝ようとしていたところへのこのテンションは、とても純粋な意味でムカつく。
「何だよアホ坂」
「いや、それ赤坂の方が近くね?」
「じゃあ馬鹿坂」
「それも赤坂の方が一文字違いじゃん!いやそんなこと今はどうでもいいのよ!緊急事態だ!これから学校に来い!」
「うん、おやすみ」
「ちょっ、寝んなって!ノーモア二度寝!」
いや、二度寝じゃないし。
一度目だし。
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