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「…12時か。どっかで飯食って帰るか」
コンビニでそれぞれペットボトルのお茶を買って、店の外に出たところ。
店内の冷房がカラダを冷やしすぎる前に表に出た。
長居すると、外に出るのが億劫(オックウ)になる。
店の外で熱気に纏(マト)われながら冷たいお茶を一気飲みする。
体中にひんやりとした熱が広がっていく感覚が心地いい。
「駅まで歩いて、探しましょうか」
「だな」
私たちは駅の方向へ足を進めた。
「稲森、傘は?」
「…します」
「30過ぎたら大変だ」
「うるさいです」
私は勢いをつけて傘を開いた。
傘を開けば
私は市原さんとは並べない。
私は一歩後ろを
傘の縁(フチ)から
彼の背中を覗きながら歩いた。
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