無謀な憧れ

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上級…。 話しには聞く言葉だ。 上の階段を上がろうとする人には避けては通れない道。 それが上級。 私にはもっとも無縁だった階段への切符。 上へあがろうとすればするほど当然のように難しくなる。 関所での通行手形のようなものだ。 もっと上… それはどんな世界なんだろう。 どんな仕事があり、どんな責任やプレッシャーなんだろう。 そんな事を思ったら恐ろしくなってきたのでやめた。 主任として研修センターで働く。 今の私にはそれだけでも大変だ。 森は、美田さんの言う通り企画部を狙っているのだろうか。 一度も聞いたことがない。 そもそも企画部だって知らないんじゃないか? 本社は凄いぞって私はこれを土産話に持って帰るか。 そんなことを1人思ってほくそ笑んだ。
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