A bargaining point

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「うそ、でしょ?」 ヒナはようやく自分の置かれた立場を理解した。 「開けて! 誰かっ!!」 ドンドンッとドアを叩き叫ぶが、誰の返事も帰ってこない。 ヒナはブーツを抜き捨て今度はベランダに続くガラス戸を開けた。 一気に入り込む冷たい空気に奥歯を噛みしめ、外に出る。 手すりから乗りだして下を見るが、ここは7階。 飛び降りるなんて不可能。 両サイドやすぐ下の階を見るがヒナの見える範囲で明かりの灯る部屋は見つからなかった。 勿論、道に人はおらず、車すら通らない。 『すべて終わったら……』 それっていつ? 終わったらって何が? ヒナは手すりから手を離し、その場に座り込んだ。 見上げるヒナの目に映るのは琥珀色を月。 「……ヒロ君」 どうしよう……。
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