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これは、お姉さまの復讐だった。
わたしの少女時代が終わる。
「本当に、よかったの?ルイ」
「良いも悪いもないわ。これがお姉さまの復讐なら」
「知っててやるのね」
「でも納得はしてないわ。今までのお兄様の所業を考えれば、当然な気もするの」
これからわたしと結婚する人を思うーー。
異性としての魅力はまったくない。
異母姉のシャーロットを自らが愛していながらむざむざと死地へと追いやった男の風上にもおけない人。
血が繋がっているなんて思いたくもない。
王宮(トリカゴ)の女に何度も宝石の雫を流させる傲慢な主人。
「ねぇルイリィ。私のことなら気にしなくていいのよ?」
「でもっ!」
それは目の前にいる女王アイリシアが即位して間もない頃に開かれた初めてのパーティーだった。
父である先王の死後3ヶ月が過ぎた女王のお披露目のパーティーは盛大に行われた。
それは私にとっても初めてのパーティー。
ドキドキした。
幼い頃より履き慣れているヒールの高い靴で歩こうとするとなんども躓きそうになるほど緊張していた。
いつもよりも腰を細く見せたくて見栄を張ってコルセットをきつくしたことをすぐに後悔した。
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