第1章

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まず、向かったのは銀細工体験ができるという工房。 そこで俺と美桜はケイタイのストラップを作った。 俺と美桜のケイタイに着いているのは、美桜が中等部の修学旅行の時に買ってきてくれたストラップ。 長い間使っている所為か、新しいものに代えようと美桜が提案した。 俺的には美桜が選び買ってきてくれたものだから、代える必要は無いとも思ったが 『旅行の記念に作ろうよ』 美桜のその言葉に 『あぁ、分かった』 俺が反論できる筈がなかった。 粘土遊びをするような感覚で作ったシルバーと皮紐のストラップ。 ここで美桜は器用な一面を垣間見せた。 次に向ったのは美桜が食べたいと言うあんみつがある甘味処。 時間は昼近くになっていたので先に飯を食おうと提案したが 『まだお腹空いてない』と即答されてしまった。 『腹が減ってないなら、あんみつも食べれないだろ』 『甘いものは別腹なの』 というよく分からない理屈を力説された。 別腹の意味が全然分かんねぇーし。 そう思ったけど、今朝も昨日の夜に引き続き 甘いものが苦手な俺はコーヒーを飲み、美桜は嬉しそうにあんみつを頬張っていた。
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