第1章

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雑誌に載っているような男の子達みたいな反応をするのだろうか? ううん、蓮さんはそんな反応はしない。 あの時はそう思った。 でも、今は断言する事ができない。 そう考えると急に不安が押し寄せてきた。 『妊娠してるかもしれないから産婦人科を受診したい』 その言葉が私には言えなかった。 「……蓮さん」 「うん?」 「病院ってどこの病院?」 「ん? いつもの病院に行こうと思ってるけど」 「……分かった」 「あ?」 「明日、病院に行ってみる」 いつもは病院に行くことを散々嫌がる私も今回ばかりは蓮さんの提案に了承するしかなかった。 とにかく確認してみないと……。 自分の事で精一杯の私は気付いていなかった。 私を見つめる蓮さんが何かを言いたそうな表情だったことを……。
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