お強請り

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「味噌汁に玉ねぎは無しだろ」 「え、有りですよ。ウチの家ではそうでした」 まぁ、俺のばあちゃんは味噌汁に何でも入れる人だったからね。 残り物の千切りキャベツとか。 「お母さんの作るご飯に文句つけるなら、もうご飯作ってあげませんよ」 「誰がお母さんだ」 宮園様に後ろから頭をペチッと叩かれた。 付き合ってても、突っ込みは健在なんですね。 「コウ、こっち向け」 顎に手を添えられて、無理矢理後ろを向かせられる。 何をされるか解ってるから身構えていると、宮園様が口唇を重ねてきた。 「んっ……」 すぐに離されたが、恥ずかしさから頬が熱くなる。 「顔洗って来るか」 それから宮園様が洗面所へと向かい、俺は朝からドキドキさせられて。 「心臓に悪い……」 両手で頬を押さえたまま、その場にしゃがみ込んだ。 .
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