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「え、ちょっと待て。今なんて?」
「だから、ゼウスのもう一つの神器『アダマスの大鎌』は君の魔武器だね」
思考回路が一瞬で停止した。
大鎌ということは懺黒のことだろう。
え、懺黒はアダマスの大鎌?
俺は死神の鎌って言われて受け取ったぞ?
つまりあれは嘘だった?
「やっぱり知らなかったんだね、まあ仕方ないけど」
「……私も初耳なんだが」
「あれ、そうだっけ?」
アリスでさえ唖然としていた。
まさか自分が死神の時に持っていた魔武器がゼウスの武器だとは思いもよるまい。
「えっと……つまり、こいつはゼウスの神器の一つを奪っていて、且つもう一つの神器を防げるってことか」
「そうだね、だから彼にゼウスを倒せてもらおうと」
「……え、これ嘘とかじゃないよな?」
「なんで私が嘘つかなきゃいけないのさ、ちゃんと説明してるのにひどいね」
ちょっとむっとしたように頬を膨らませた。
「あの創造神様がそういう風に仕組んでて知らされてなかったらしいけど、大変だね」
創造神……あの声だけの神様だとすぐには思い至らなかった。
ケラシスは彼女を知っているのか。
俺は率直に聞いた。
「ケラシスはあの神様を知っているのか?」
「知ってるも何も、打倒ゼウスのために色々根回ししてくれたのはあの方だね」
また即答した。
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